TAB 多読 -tadoku and beyond!-  

いっぱい読んでたっぷり聞けば、英語はかって出てきます!

  

2013/07/11

続々)英語ムラ 

実は今、アメリカの大学のオンラインコースでTESOLってのやってます。日本の現役中高教師対象の10週間コース。こういうの今まで興味なかったんだけど、いや実に面白い。仕事しながらやるのは大変ですけど。土日は一日中PCとにらめっこ。今はグループで作業しているので、グループの他の人の反応も待たなきゃいけない。その時間でいろいろネットサーフをしてたら、またしてもとんでもないものを見つけました。英語ムラの「ムラビト発見!」

  多くの罪のない日本人が、こういうのに騙され、結局映画なんて見れるようにならないのが「英語教育1.0」(これの皮肉です。)。こんなの大ウソ。私は、この人自身も英語ができるとは到底思えません。
  具体的にどこが大ウソか、見てみましょう。

・リスニングが難しいのは「音が聞き取れない」「単語は聞き取れるけど、文の意味がわか らない」「文の意味はわかるけど、何が言いたいのか分からない」などの場合に分けられ ます。

 まず「音が聞き取れない」。これって要するに聴覚障害ってことですか?学者ならもっと正確な言葉を使ってほしいものです。多分、「個々の音素(つまり、appleの"a"とか、bridgeの"dg"とかね。)」が聞き取れないということでしょう。これ、ウソです。私たちが外国語を聞くときには、個々の音なんかに注意してません。そんなことしてたらいつまでたっても意味がわかるようにはなりません。
 また「文の意味がわかるけど、何が言いたいのか分からない」私は、この人が何が言いたいか分かりません。「意味」って「言いたいこと」なんじゃないんですか?文脈がわからないってことですか?多分、「日本語には訳せるけど、ピンとこない。」って言いたいのではないでしょうか。これも、「外国語は日本語に訳さないとわかったことにならない。」というムラの洗脳の結果です。
 細かい話をすると長くなるのですが、第二言語習得に関する論文には、Top-down approach to comprehensionってのがあるようです。要するに、細かいことを積み上げてcomprehension(理解)に到達するんじゃなくって、様々な要素(文脈とか、状況とかね。)から、comprehensionに到達するってのがTop-down approach。私の経験だと、とりえあずガンガン映画を見ているうちに、なんとなく言ってることがわかるようになるというのが第一歩です。そういう生徒がたくさんいますよ。(この人「第二言語習得」に関する本もあるようですが、本当に勉強してるんでしょうか?)

・どの言語でも「書き言葉」と「話し言葉」は異なります。

「書き言葉」と「話し言葉」の違いと言われれば、書くときには「ちゃんと」とか「○○だよねー。」みたいな言葉書いちゃダメよ、って話だと思いますよね。でも、結局は、「言葉の音は塊として聞こえてくる。」という当たり前のことを言っているだけでのようです。そんな当たり前のことは、最初っから、文字を読むだけじゃなくって音もいっぱい聞いてれば自然にわかりますよ。日本の学校では、教科書の「文字」を「文字通り」読むことばかりやって、生の英語を聞かせないからダメなだけ。

・したがって、ハリウッド映画を見るためには、よくある言い回しの「音の塊」を知り、約一万語の単語の「音」といくつもの文のパターンを覚え、「持久力」を身につけなければなりません。音声面でも、語彙面でも、文法でも、英語とかけ離れた日本語を母語とする私たちにとって、そのようなことは、普通に考えれば、不可能です。

 ありゃりゃ。結局、「不可能」って何なんですか!これ、ムラ人のパターンですよ。「これだけ努力を重ねないと絶対できるようにはならない!」。これは、全て映画を見れる人は、実は「無意識のうちに」これだけのことができてるのではないか、という単なる仮説。決して、「これだけのことができなければ見れない!」ってことではないのです。1つだけ例に挙げますが、一万語の単語というのが本当だとしても、映画のジャンルによって、全然出てくる「単語」は違うでしょう。とすると、もうこれキリがないんですよ。まぁだからこそ「不可能」って言いたいんでしょうけどね。

・ しかしそれでも挑戦したい。できるようになりたい。「ハリウッド映画を字幕なしで見る」ためにはどうすればいいのでしょうか。それには、まず、1本、字幕なしで観賞できる映画を作る必要があります。(中略)「何だ、大変だし、時間がかかるなぁ」とお思いになるかもしれません。しかし、まず1本理解できなければ、結局1本も理解できません。

 「まず1本理解できなければ、結局1本も理解できません。」この文、意味わかりますか?日本語力大丈夫なんでしょうか、この人。「まず1本ヒットを打たなければ、1本もヒットは打てません。」って、当たり前じゃないですか。もう少しわかりやすく言うと、「まず1本『完璧に』理解できなければ、結局1本も理解できません。」ってことでしょう。
 これもムラ人の特徴。上で言っている「音の塊のパターン」とか「一万語の単語」とか「持久力」を身につけて、完璧に1本理解せよ、と言ってるわけです。こんなことできますか?忙しい日本人に。私は絶対やりませんよ。こんなことするくらいなら、「ハリウッド映画を字幕なしで」見れなくて結構。そう思いませんか?

・映画を選ぶには、内容が面白いことが何より大切ですが、英語の難しさが映画によって異なることに注意が必要です。聞きやすいのは子供でも見ることができる映画です。聞けるようになるだけではなくて、話せるようになりたいのであれば、素敵な台詞が沢山出てくる映画が良いですね。その役になりきって、鏡に向かって何度か実際に口に出して言ってみてください。とっさのときに口から出てくるかもしれません。そうなれば、もはや、あなたの英語は(たまに)ハリウッドスター並みです。

 「巨人の星」なみの努力を重ねないと無理、と言っておきながら、何なんでしょう、このお気楽なエンディングは。「そうなれば、もはや、あなたの英語は(たまに)ハリウッドスター並みです。」「(たまに)」って何だよ!人をバカにするのもいい加減にしてほしいものです。もう一度この部分、冷静に読んでみてください。支離滅裂じゃありませんか?映画(多分、完璧に理解すべき「1本」のことでしょうが)を選ぶとき、「内容が面白い」「英語の難しさに注意」「素敵なセリフがたくさん出てくる」。もうこの時点で、「普通の」人は、選ぶ気にもならなくなるんじゃないでしょうか。もちろん、それがムラ人の狙いなんでしょうが。

 文句ばかり言いましたが、1つだけ同意することがありません。それは、「時間がかかる」ってこと。そりゃそうですよ。だからこそ、もっと「気楽に」やればいいんです。内容知ってる映画を、英語でぼっと見てみる。何十本と見てれば、この人が言ってる「音の塊」やらなんやらは、無意識のうちに吸収されます。
 
ムラ人の「これやらなきゃダメ!」ってのを一切無視して、生の英語を「楽しむ」。それっきゃないですよ。

 教員がこういうこというと、多分ムラ人は「無責任だ」と言います。じゃあ、うちの生徒を見に来てくれ、と言いたい。字幕なしで、英語のアニメや映画を普通に楽しんでますよ。「単語とか文を聞き取って書けと言われたらできないけど、普通に内容はわかるよ。先生わかんないの?ありえねー!本当にTOEIC満点なの?」とバカにされたこともあります。この事実をどう説明しますか?

 何?そんなんじゃわかったことにはならないですって?ああそうですか。じゃあ逆にお聞きします。あなたも大学で教えていらっしゃることでしょうから、この方法で「ハリウッド映画を字幕なしで見る」ことができるようになった学生さんを紹介していただけませんか?多分一人もいないでしょ。だって、この人自身が、こう言ってるんですから。

私を含め、何年も留学し、英語を使って不自由なく日常生活を営める人であっても、初めて見た映画を、字幕なしで、まるで日本語で映画を見ているように理解できる人はほとんどいないと思います。

 私の周りの多読愛好家の中には、留学など一切したことないけど、「初めて見た映画を字幕なしでまるで日本語の映画を見ているように楽しめる人」いますよ。恥ずかしながら私自身はその域には達していません。でも、もっとたくさん気楽に見てれば、そうなるって確信しています。

 こんな巨人の星方式じゃなくても、「初めて見た映画を字幕なしでまるで日本語を見ているように理解できる」って方、是非コメントください!

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