TAB 多読 -tadoku and beyond!-  

いっぱい読んでたっぷり聞けば、英語はかって出てきます!

  

2013/07/04

英語ムラ住民 カリスマ講師

予備校やビジネス英語の「カリスマ英語講師」について見てみたいと思います。

以前別のブログに書いたものに少々追加しました。


>皆さんに頼るしかありません。買ってください!シェアしてください!推薦してください!注文してください!レビューを書いてください!日本中に英語好きを増やすために!ご協力を!

今までさんざん、受験英語問題集や参考書で「英語嫌い」を作ってきて、今度は「日本中に英語好きを増やすために買ってください!」とは....本当にそう思うのなら、もう相当お金もうけているはずだから、自費出版するなり、ebookで無料で配布してもいいのではないでしょうか。「なりふり構わぬ宣伝」って、別に宣伝するのはいいですけど...

このHPでは、なんと「俺は多読王になる」というTシャツを来ています。「多読」というのは、受験英語学習とは全く違うアプローチ。今までどっぷりと「受験英語的学習法」を提唱していて、「多読」が広まっていると察知したらとっさに手のひらを返すやり口にはもう呆れます。(念のため言っておきますが、このシリーズは結構いいらしいです。才能と努力は認めます。)実際に、多読を楽しんで英語が普通に読める書ける聞ける話せるようになった人はいっぱいいます。多読、つまり、娯楽としての英語読書に「王」も何もありません。ここにこういう方の本質が見えるのです。つまり、英語学習に常に「序列」を作る。そしてその序列を利用して商売をするのです。何が「多読王」ですか、全く。

この方が10年以上前に「多読」、つまり「日本語に訳さず、わからないところは気にせず、楽しんでたくさん読む」ことの重要性を説いていたという資料があれば教えてください。

具体的にどんなおかしな事を言っているか見ていきます。

この記事では、

>日本中の中高生&中高年を英語好きにするための大作戦です。

中高生がどうして英語が嫌いになるか本当にわかっているのでしょうか。学校でも予備校でも受験英語を叩き込まれ、わけのわからない日本語の文法用語に振り回され、偏差値が低いと予備校で「この講座もとった方がいい」と言われ、「この問題集3回はやらないと偏差値60は無理。」と脅迫されて、嫌いになるのです。受験英語でさんざん商売しておいて、「多読」が流行りだしたら、今度はそれに乗り換える。なんとまぁ。

>この小説は、難しい単語や構文を極力使わずに、シンプルな英語で読みやすく書かれています。でも、本当に大切な単語や熟語、構文はしっかり文の中に組み込んであります。

「大切な」ってどういうことでしょうか?英語を身につけるために「大切な」ものは、当然出てくる頻度も多いので、多読していれば自然と身につきます。日本人の「英語専門家」がわざわざ「組み込む」必要なんてないはず。単なる「売るため」のセールストークです。

>従来の多読教材では、「内容は簡単だけれど、語彙や表現のレベルが高すぎて読書が止まってしまう。」「内容が日本人にとっていまいち興味が持てない。」という声がよく聞かれました。

従来の多読教材?多読は「教材」を読むわけではありません。「本」を手当たり次第読むってことなんです。
日本人にとっていまいち興味が持てない?人の興味なんて様々。日本人ってくくるところが恐ろしい。また、英語の本なんてそれこそ無数にあります。それを「従来の英語の本は日本人がいまいち興味がもてない」ってどういうことでしょうか?英語の本なんて無数にありますし、今やどんな英語の本でもネットで簡単に手に入ります。「日本人がいまいち興味がもてない」なんてどうして断言できるのでしょうか?

確かに、いきなり自分の興味にあった英語の本を多読するのは無理です。だから、最初はこども向けの短い本を大量に読むのがいいのは事実。どのくらいの時間やさしい本、つまり、この人の言う「いまいち興味がもてない」本を読めばいいかは一般化できませんが、少なくとも、予備校通って受験勉強している時間を費やせば絶対にある程度自分の興味にあった本を多読的に楽しむことはできます。(私の生徒の中には、2年間、週4時間の多読授業で、日本の漫画の英語版を読み始めるようになる人がい結構います。)

>このような学習効果を、綿密に計算して

「綿密に計算して...」どのような理論に基づいて、どのような「計算」をしているのでしょうか。例えば、Oxford University Pressの外国人向け英語リーダーは、レベルごとに語彙や文法項目が決められています。その裏には綿密なデータがあり、様々な論文がある。しかし、このシリーズはどのような理論に基づき、どのようなコーパスにもとづき、どのように「綿密に計算している」のか。

また、今あげたOxfordのリーダーなど、外国人向けに語彙文法を制限されたシリーズは、やはりネイティブ向けのこども向け小説なんかよりは面白くないのです。ちょっと考えてみてください。「綿密に計算」しながら、本当に面白いストーリーが書けるでしょうか?

また、上に出てきた「大切な単語・熟語・構文」というのは、生の英語の中で何度も何度も出てくるもののはず。日本人が日本人のために「綿密に計算」してしまったら、大切なものが出てくる頻度が下がるでしょう。

さらに、

たかだか5000語程度のシリーズ、いや、今調べたら数冊しかないようですが、数冊読んで「多読」なわけがない。これ読んだあとどうしろというのでしょうか?だって、「従来の多読教材はダメ」なんですよね。

中学時代英語が「苦手だ」と思っていた高校生でも1年多読すれば、1分100語から150語で英語を読むようになります。1分100語だとしたら、たかだか数時間でこのシリーズを読んでしまいます。そのあとは?

さて、この人が「多読」以外でどんなこと言っているかを見てみましょう。
 
「気をつけろ!」「思い出せ!」「推測せよ!」「避けよう!」「覚えよう!」「惑わされるな!」
 
こんなにたくさんのこと気にしながら、英語読んで楽しめますか?
 
英語を嫌いにさせている、英語を読んだり聞いたりするのをつまらなくしているのは一体誰なんでしょうか?
 
次に、予備校や受験産業全般についてです。
 
私は中堅の公立高校で長く仕事しています。その中で、塾や予備校に行ったことで成績が下がり、第一志望にも落ちた生徒がたくさんいます。あまり信じてもらえないのですが本当です。ある大手予備校(数々のカリスマ講師がいてTVでも派手なCMを流しています)などは、授業はDVDの映像をブースで見るというもの。そして、若いチューターがいて、「君は今回の模試で文法が弱いから、この講座終わったらこっちの文法講座もとった方がいい。」と言われます。必死な受験生はその通りにします。そうやってどんどん講座をとらされ、結果、学力もつかない。でも言われた方は「自分の努力が足りない。」「もっと別の講座もとらなきゃ」と思います。ひどいやり口です。予備校は合格者実績を派手に宣伝しますが、その裏には大量の「失敗者」がいるのです。それも、大量の時間とお金をもぎとられた上で。
 
こんな商売をしている人が言うことは信用できません。
 
さてカリスマ講師に戻りますが、
 
この方、こういう記事も書いています。
 
「英語教育2.0」というキャッチフレーズは、さすが、というか呆れるだけですが(だって、今までこの方「英語教育1.0」でさんざん商売してきたんですよ。)、頭にくるのはこういう言い方です。
 
 
「むなしさ」と言いつつ、テストのための勉強をさせることででどれほど儲けてきたのでしょうか。「テスト以外の方法で英語学習の必要性を創出する方法は思いつきません」という人に、英語を教える資格なんてあるのでしょうか?
 
実際には、テストを盾に生徒を脅迫するから英語をやろうという動機を失っているのです。試験や検定など気にせず英語を楽しむ若者はたくさんいます。FacebookTwitterで海外の、それも非英語圏の友人と英語でコミュニケーションする若者もたくさんいます。「英語の必要性」を歪め、「まじめな中高生」のやる気を失わせているのはこの人たちなんです。詭弁もここまでくると許しがたいですね。
 
結局、上智大学がこの試験を開発することでも金が動き、そして試験が導入されれば今度は試験対策で予備校や出版社が儲かる。それだけの話なんです。こんな人たちの言うことを信用してはいけないのではないでしょうか。
 
こんな人たちの言うこと信用するのやめませんか?

2 comments:

  1.  感服!!!
     当方が非常勤で最後のご奉公をしている学校で講演か、数回の講演か講義もして欲しいと思ってしまった記事でした。当方が期待するのは英語ではなく、情報メディア論です。枠は総合か情報で。うちの生徒さんや先生様では猫に小判ではなく、馬の耳に念仏かも。(笑)
     瓢箪から駒ですので、素直に感想を書かせていただきました。失礼しました。

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  2. ありがとうございます。メールでご連絡いただければ私が主催している研修会等のご案内をしますので。

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